2016年版での主な改訂点
以下に,「遺伝性大腸癌診療ガイドライン2016年版」における2012年版からの主な改訂点を示す。
※詳細は,本文の該当箇所を参照のこと。
※以下に示した点に,文章の変更やUpdateが行われている。
Ⅰ.家族性大腸腺腫症
1.概要
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
9ページ | 図1 | 「がん化のメカニズム」を大幅に修正し,サイドメモで異常腺窩巣,染色体不安定性,ヘテロ接合性の消失の解説を加えた。 |
2.診断
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
12ページ | 図2 | フローチャートにポリメラーゼ校正関連ポリポーシス(PPAP)を加えた。 |
13ページ | サイドメモ2 | 「遺伝学的検査」を解説した。 |
14ページ | | 大腸癌の発生年齢について,大腸癌研究会の多施設共同研究のデータを加えた。 |
14~15ページ | 図3~図8 | 随伴病変の写真の追加あるいは差し替えを行った。 |
16ページ | サイドメモ4 | サイドメモで「先天性網膜色素上皮肥大」を解説した(CQから削除した)。 |
16~17ページ | | 鑑別を要する疾患の「体細胞APCモザイク」を「APCモザイク」とし,「ポリメラーゼ校正関連ポリポーシス(PPAP)」を加えた。 |
3.治療
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
18ページ | 図11 | hand-sewn IPAAとstapled IPAAを入れ替えた。 |
19ページ | サイドメモ5 | サイドメモで「術式の名称」について解説した。 |
4.術後のサーベイランス
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
22ページ | 図12 | 図12 FAPの家系図記載例を差し替えた。 |
Clinical Questions
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
24ページ | CQ1 | APC遺伝子変異の検出率について修正した。 |
25ページ | CQ2 | AFAPについて本邦のデータを引用するなどし修正した。 |
| CQ3 | 「FAP患者の先天性網膜色素上皮肥大の臨床的意義は?」を削除した。 |
26ページ | CQ4→2016年版CQ3 | 図13「FAPに対する予防的大腸切除の術式選択」のフローチャートを修正した。 |
26ページ | 2016年版CQ4 | 「FAPに対する大腸全摘・回腸囊肛門(管)吻合術(IPAA)において一時的回腸人工肛門造設の必要性は?」を新設した。 |
28ページ | 2016年版CQ6 | 「FAPに対する腹腔鏡下手術は有用か?」を新設した。 |
29ページ | CQ8→2016年版CQ9 | IRA術後の残存直腸癌発生について最新のデータを引用した。 |
31~33ページ | CQ10→2016年版CQ11 | 図14として十二指腸腺腫の組織像を加えた。図15と図16で十二指腸腺腫の評価法と治療方針について示し,解設文を変更した。サイドメモで「スピゲルマン分類の評価法の変遷」について解説した。 |
33ページ | CQ11→2016年版CQ12 | 乳頭部腺腫の治療法について,内容を刷新した。 |
34~36ページ | CQ13→2016年版CQ14 | デスモイド腫瘍の治療方針について,解説文の構成を大幅に変更した。Church分類(表5)とChurch分類に基づいた腹腔内デスモイド腫瘍の治療について,図17で示した。 |
37ページ | CQ14→2016年版CQ15 | 肝芽腫について,解説文を追加した。 |
37~38ページ | CQ15→2016年版CQ16 | 遺伝カウンセリングについて解説文を修正した。 |
Ⅱ.リンチ症候群
1.概要
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
41ページ | 図18 | 大腸癌発生のメカニズムに関する図を修正し,腺腫からの発癌を判りやすく示した。 |
2.診断
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
43~44ページ | 図19 注2) | 第2次スクリーニングにBRAF V600E遺伝子検査を追加した。 |
49ページ | 本文 | 鑑別を要する疾患に,ポリメラーゼ校正関連ポリポーシスを追記した。 |
4.術後のサーベイランス
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
51ページ | 表9 | 関連腫瘍に対するサーベイランス法を引用文献の改訂に準じて更新した。 |
Clinical Questions
ページ | 改訂箇所 | 改訂内容の要旨 |
55ページ | CQ16→2016年版CQ17 | 発生する消化器腫瘍の臨床的特徴に関する内容を変更し,「原因遺伝子の臓器別発がんリスクに応じたサーベイランスを行う」ことを記載した。 |
56ページ | CQ17→2016年版CQ18 | 大腸癌の病理組織学的特徴について,組織写真を追加した。 |
56~57ページ | CQ18→2016年版CQ19 | 婦人科癌に対するサーベイランスとリスク低減手術について,方法と有用性を簡潔に記載した。 |
55ページ | CQ19→削除 | 泌尿器科腫瘍についての記載は,CQから「4.術後のサーベイランス」などに移動した。 |
57~58ページ | CQ20→2016年版CQ20 | スクリーニング検査としてMSI検査に免疫染色を追記し,特徴を比較した。 |
59~60ページ | CQ21 | 新たなCQとして,免疫染色における評価ポイントを表や組織写真を加えて記載した。 |
61~62ページ | CQ21→2016年版CQ22 | 検査用語として,体細胞の解析を示す遺伝子検査と,生殖細胞系列の解析を示す遺伝学的検査を区別した。 |
62ページ | CQ23 | 新たなCQとして,遺伝学的検査における「病的か意義不明なバリアント」への対応について記載した。 |
62ページ | CQ22→2016年版CQ24 | CQ番号を変更した。 |
63ページ | CQ23→2016年版CQ25 | 大腸癌に対する術式の記載を簡潔にした。 |
64ページ | CQ24→2016年版CQ26-1,CQ26-2 | CQ26-1には大腸癌の補助化学療法,CQ26-2には進行再発大腸癌に対する化学療法を分けて記載した。 |
65~66ページ | CQ25→2016年版CQ27,CQ28 | CQ27には生活習慣の改善による発がん予防,CQ28には化学予防を分けて個別に記載した。 |
66ページ | CQ26→2016年版CQ29 | 推奨カテゴリーをCからBに変更した。 |
以上