斉藤 裕輔 (市立旭川病院消化器病センター)
内視鏡摘除後大腸SM癌の転移・再発アンケート
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【大腸癌治療ガイドラインの妥当性】
大腸癌治療ガイドライン2005年度版、及び大腸癌取り扱い規約における大腸SM癌内視鏡摘除後の追加腸切除考慮基準について、これまでの中期経過からのその妥当性については十分な評価を得ている。
【大腸癌治療ガイドラインの問題点】
その中で、大腸SM癌内視鏡摘除後の追加腸切除が考慮される場合、依然としてoversurgeryとなっているという問題点も指摘されている。その理由として、仮に追加腸切除を行わずに経過をみて転移や再発を生じた際の追加腸切除などのsalvage治療により、根治、または予後の改善が可能か、というエビデンスが得られていないからである。そのため再発の危険性が少しでもある場合、積極的に追加腸切除を行わざるを得ないという現状がみられている。
【大腸SM癌治療後経過の現状】
他方、これまで内視鏡技術の進歩やSM癌の集積によるその病態解明が進み,多くの大腸SM癌が内視鏡的に摘除されるようになり,患者の全身の合併症や希望などにより追加手術を施行せず経過観察にまわる症例が増加しつつある。その経過観察中に転移や再発する症例も散見される。また,外科的切除を行った大腸SM癌においても,希ではあるが転移再発をきたすものがある。
【本プロジェクト研究の目的・期待される結果】
これら背景の中で,内視鏡摘除後経過観察となった大腸SM癌が再発した症例の予後(追加治療の効果)については単独施設での症例は非常に少ないため、エビデンスはほとんどなく,本プロジェクト研究でそのデータの構築目指す。また、内視鏡摘除単独あるいは内視鏡摘除+追加手術後に再発した病変の臨床病理学的特徴と再発様式・臨床経過を解析するとともに,内視鏡摘除後経過観察中に転移・再発した症例に対するSalvage治療の有効性を明らかにすることを目的とする。後向きアンケート調査ではあるが、内視鏡摘除後経過観察中に転移・再発した症例のSalvage治療の成績や生命予後が客観的データとして明らかになり,その情報をガイドラインに盛り込めるとともに,実臨床で患者に説明することが可能となる。その結果、大腸SM癌の治療法選択における正しい患者の理解、大腸SM癌内視鏡摘除後の患者の予後改善など多大なる貢献が得られることが期待される。