秋吉 高志(がん研有明病院 大腸外科)
ステージⅡ大腸癌に対する術後補助化学療法について、本邦のガイドラインでは再発リスクが高い場合に行うことが弱く推奨されている。ASCOやESMOのガイドラインでは郭清リンパ節個数12個未満、T4、脈管侵襲、リンパ管侵襲、傍神経浸潤、低分化腺癌または未分化癌、穿孔例、腸閉塞などがステージⅡ大腸癌のハイリスク因子と規定されており、本邦のガイドラインにもこれらの因子がそのまま記載されている。しかしながら、欧米と日本ではリンパ節郭清範囲や病理学的検索方法、ステージの分布が異なっており、海外のガイドラインで記載されているハイリスク因子が日本の大腸癌治療にそのまま適用できるかは不明である。
そこで本プロジェクトでは、日本の大腸癌臨床データに基づいたステージⅡにおけるハイリスク群を抽出することを目的とした研究を行う。