絹笠 祐介(東京医科歯科大学大学院 消化管外科学分野)
卵巣転移は、大腸癌取扱い規約(規約)において腹膜転移P2に含まれるが、卵巣転移の機序は明らかではなく、P2に分類することの根拠となるデータは示されていない。また、鼠径リンパ節は、規約第7版では肛門管癌の中間リンパ節にとして扱われているが、規約第8版ではその記載が削除されている。一方、TNM分類(第8版)では鼠径リンパ節は肛門管癌の所属リンパ節になっている。
本プロジェクト研究は、多施設後向き研究とし、参加施設より卵巣転移、鼠径リンパ節転移の症例を集積することにより、以下の点を明らかにすることを目的とし、その結果から規約改定へ提言を行う。
1.卵巣転移、鼠径リンパ節転移の臨床病理学的特徴と予後
2.卵巣転移、鼠径リンパ節転移に対する外科的切除の意義
3.卵巣転移を腹膜転移P2と分類することの妥当性
4.肛門管癌における鼠径リンパ節転移の規約における位置づけ