田中 信治 (広島大学 内視鏡診療科)
大腸癌の内視鏡治療は、全国的に多くの施設で施行されています。その技術レベルは千差万別で、再発率や偶発症の発症頻度に差が見られます。本プロジェクトでは、名人芸の追求ではなく、大腸癌内視鏡治療手技の全国的標準化を図ることを目的としています。最終的には、内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の標準化を目標にしていますが、ESDはまだまだ難易度が高く、臨床研究として発展途上の手技です。
そこで、まず本プロジェクトでは、大腸腫瘍内視鏡治療の基本であるEMRの標準化について取り組みます。小病変に対するEMRはもとより、大きな病変に対するEMRも含め、その実態調査と標準化対策を検討するとともに、分割EMRの問題点に関しては前向き研究も予定しています。