問山 裕二(三重大学 消化管・小児外科)
大腸癌術後フォローアップは、根治切除後の再発を早期に発見し、適切な治療介入につなげることを目的として実施されています。現在、本邦の大腸癌治療ガイドラインに記載されている術後フォローアップ法は、主として1991~1996年に手術を受けた症例を対象としたデータに基づいて作成されています。しかし、この時代は現在とは診療体系が大きく異なり、「術後補助化学療法が十分に普及していない」、「Oxaliplatinを含む有効な補助化学療法が存在しない」、「術前化学放射線療法やTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)が一般的ではない」、「D3リンパ節郭清や側方リンパ節郭清が標準化される以前である」など、現在の標準治療との間に大きな乖離があります。
そこで、本プロジェクト研究では、2010年以降に標準治療を受けたStage II・III大腸癌患者を対象として、再発時期の変化、再発リスクの層別化、および再発発見手段の有効性を明らかにすることを目的としています。本研究により、現代の大腸癌診療に即した新たな術後フォローアップ法を提案することが可能となり、将来的にはctDNAなどの分子マーカーを組み合わせた個別化術後フォローアップの実現に向けた基盤データとなることが期待されます。