落合 淳志 (国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理部)
大腸癌におけるリンパ管(ly)及び静脈侵襲(v)は予後や転移と強く相関することが多くの論文で示されている。一方でその程度の評価は病理医間で差があることも分かってきた。大腸癌取り扱い規約において脈管侵襲の有無及び程度は4段階で評価されているが、その判断基準があいまいで精度管理がなされていないのが現状である。大腸癌研究会において、転移・予後因子としてのリンパ管・静脈侵襲程度の再評価(下田忠和委員長)を行い、ly, vの妥当な評価方法を検討した。本プロジェクトは1) 「転移・予後因子としてのリンパ管・静脈侵襲程度の再評価」プロジェクト研究で検討された評価方法に基づいて評価方法を統一し、2) 多施設にて同評価方法の検証を行うことで、全国で利用される大腸癌取り扱い規約に反映させることを目的とする。