絹笠祐介(東京医科歯科大学 消化管外科学分野)
大腸癌の大動脈周囲リンパ節転移は「大腸癌取り扱い規約第9版」では“遠隔転移”とされており、「大腸癌治療ガイドライン」では治療について“切除を考慮してもよいが、明確な治療効果を示す比較試験はない”と言及しています。
しかし、大動脈周囲リンパ節転移に対し、切除によって生存期間の延長を得られる症例が一定の頻度で存在することが、複数の施設より報告されています。
当委員会では、大動脈周囲リンパ節転移の予後及び臨床病理学的特徴を明らかにするとともに、外科的切除の意義を検討することを目的として、多施設共同の後ろ向き研究を行っています。