山口茂樹(東京女子医科大学 下部消化管外科)
大腸癌取扱い規約では動脈に基づいたリンパ節マッピングやリンパ節郭清が提唱され、リンパ節転移の検討やリンパ節郭清の評価に大きな役割をはたしてきた。その一方で右側結腸癌ではSurgical trunkとよばれる静脈中心の郭清が行われてきた経緯があり、取扱い規約との乖離がおこっている。
そこで今回、盲腸癌、上行結腸癌の根部リンパ節転移陽性症例やリンパ節再発症例を多施設からの症例集積により検討し、詳細なリンパ節転移部位の実態の解明、および至適リンパ節郭清範囲の検討、さらにはわかりやすく現実に則したリンパ節分類の作成を目的とした研究を行う。