第19回
鋸歯状腺癌志田 陽介(獨協医科大学第一外科学・病理学) ほか
鋸歯状腺癌を診断する上で最も重要な所見の一つである。癌表層では,このような鋸歯状構造を呈するが,先進部では粘液の産生があり,粘液癌様の所見を呈する。
a:上皮の鋸歯状化が認められる。
b:aの強拡大像。
腫瘍先進部では,粘液癌となり,その部分に球状(cell balls)もしくは乳頭状(papillary rods)の細胞成分が認められる。
a,b:cell balls
c,d:papillary rods
小腸においても, 鋸歯状構造や粘液癌といった所見が認められる症例もある。
a:鋸歯状構造が認められる。
b:浸潤部では,粘液癌が認められる。
鋸歯状腺癌の前癌病変として考えられている病変である。寸胴型や逆T字型・L字型腺管が特徴である。
a:逆T字型腺管が認められる。
b:aの強拡大像。