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大腸癌治癒切除後の予後予測ノモグラムの開発

金光 幸秀 (国立がん研究センター中央病院 大腸外科)

活動要旨

大腸癌治癒切除後の再発率はStageとよく相関するが、同じStageの中にも予後の異なる集団が存在する。欧米では、前立腺癌、乳癌をはじめとする癌診療の分野において、ノモグラム(nomogram、計算図表)という数学モデルを用いて、複数の臨床病理学的因子を総合して特定のイベント(再発など)の予想リスク値を算出し、1つの数値(%)として示すツールが開発されている。ノモグラムは複数の予後変数を組み合わせるため、単一のリスク因子による分類やStage分類よりも、個々の患者についてより正確な予後予測が可能になるとされている。

当該分野で最も先進的な米国の前立腺癌領域では、携帯用コンピュータにてノモグラム用ソフトウェアを使用し、患者の前で治療後の再発率などの予測値を示して、患者と医療者間での治療方針の検討の一助とするなど臨床応用が広がりつつあり、NCCNのガイドライン上でも付加的な情報や各症例個別の情報を提供するべくノモグラムの使用を推奨している。

大腸癌の領域では、主に欧米の複数の無作為化試験のプールデータセットをもとに作成された術後再発リスク評価に関するノモグラムが公開されているが、日本と欧米の大腸癌の5年生存率には約10%の差があり、欧米のノモグラムを日本の実地臨床にそのまま利用することは妥当ではない。

本プロジェクトでは、日本のデータをもとに、日本独自の「大腸癌治癒切除後の予後予測のためのノモグラム」を作成し、日本の実地臨床への導入の実現可能性とその問題点を検討することを目的とする。テーラーメード医療が注目される中、術後補助化学療法の要否、レジメン選択などの治療方針の決定に際し、患者と医療者間での検討に有用な情報が提供できると考える。

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