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結腸癌の至適腸管切離長に関する前向き研究

長谷 和生(防衛医科大学校 外科学講座)

活動要旨

 結腸癌の切離腸管長は、領域リンパ節の定義に深く関連する。本邦では長年、切離端までの距離を10cm確保する "10cmルール"が腸管切離レベルの基準とされてきたが、大腸癌取扱い規約第7版において、支配動脈の分布を基準に領域リンパ節が規定され、これに応じた腸管切離レベルが設定された。しかしながら、規約第6版までの"10cmルール"を凌駕する意義があるかの検証は充分に行われていない。翻って海外の状況をみるに、腸管傍の領域リンパ節の範囲はTNM分類にも明記されておらず、米国のguidelineの一部には5cmの切離marginで良いであろうとする記載がある一方で、欧州での切離腸管長は、一般に本邦より長い傾向にあることが報告されている。

 このように腸管傍の領域リンパ節を規定するに十分なevidenceは存在せず、結腸癌の至適切離腸管長に関する世界的なconsensusは得られていない状況にある。本プロジェクト研究では、結腸癌における領域リンパ節の範囲を明らかにして、至適切離腸管長の基準を確立することを目的とする。本研究の成果は大腸癌取扱い規約や大腸癌治療ガイドライン改定の資となることが期待される。

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