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転移・予後因子としてのリンパ管・静脈侵襲程度の再評価

下田 忠和 ( 国立がんセンター 臨床検査部病理検査室)

活動要旨

目的

癌原発部のリンパ管ならびに静脈侵襲は独立した予後あるいは転移の因子です。大腸癌取扱い規約ではその有無と侵襲がある時はその程度を3段階評価して記載するとされています。しかし実際には、リンパ管や静脈の組織学的判断基準、ならびに侵襲程度の評価には病理医間に違いがあり、その精度管理はなされていないのが現状です。また程度に関しては脈管侵襲程度と転移や予後との関連について正確なデータがありません。

本プロジェクト研究では脈管の同定、ならびに脈管侵襲程度の再評価を行い、規約に反映させることを目的としています。

方法

原発性かつ単発性の大腸癌200例を対象とし、4人の消化管病理専門医が各々脈管侵襲の有無と脈管侵襲を認める例では観察された脈管の数を記載して、比較検討しました。その後、4人同時に観察する中央診断を実施して、脈管の判定基準を作成し、さらに個々の病理医による再評価を行いました。

現在までの結果

約60%の症例で脈管侵襲有無の評価は一致しました。一致しないのは空隙の中に癌細胞が観察されるときでした。中央診断の結果、脈管の評価にあたっては癌浸潤辺縁部で行うこと、かつ必ず内皮細胞を確認することにより、観察者間の精度向上と一致が可能でした。また脈管侵襲程度の評価は、観察者間により大きな差があることが判明しました。

今後の検討

以上の結果に基づき、リンパ管と静脈侵襲の判定方法をさらに具体的に記述することとしました。侵襲程度の評価に関しては、脈管侵襲を1~5個、6~10個,11個以上に分け、再度中央診断を実施します。その上で、上記程度分類とリンパ節転移、予後との相関を検討し、2007年12月には脈管侵襲を観察する部位ならびに脈管の判定基準、そしてその脈管侵襲程度の評価基準を作成する予定です。

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